金融機関向け 国際送金システム基盤リニューアルの

背景

国際送金は、SWIFT(国際銀行間通信協会)と呼ばれるグローバルネットワークを介して決済されるが、このプロトコルが2025年11月までに新しいフォーマットに切り替わる。これまでは、1970年代に策定されたメッセージタイプと呼ばれるデータフォーマットが使われ続けてきた。それに対し、昨今の国際的なアンチマネーローンダリング規制強化の高まり、データビジネスへの活用、事務処理の効率化といった新しいニーズを踏まえ、ISO20022として規格化されたXMLベースの新しいフォーマットに置き換わる。クライアント企業を含めた金融各社は、この変化への対応が求められている。

課題

クライアント企業では、システム基盤の老朽化が進んでいた。業務ニーズに合わせて機能の追加拡張を繰り返し、長年にわたる改修を経た結果、システムが肥大し複雑化していた。そのため、人手による運用の手間だけでなく、システムの運用コストにも影響が出ていた。そこで、国際送金の新フォーマット対応に合わせ、そのアプリだけでなく基盤も含めた刷新を計画し、クラウドを活用したシステムへの転換を決めた。

ソリューション

クライアント企業の公告への応札を決めたSIerからの要請に応じ、クラウド開発のスキルを有するチームを編成し、提案の策定に参画した。クライアント企業の要求仕様及びSIerのグランドデザインに合わせ、セキュリティやバックアップを中心としたシステムの信頼性に関わる機能の検討を担当した。SIerが落札し開発を実施するにあたり、基盤部分はAkkodisが請け負い、アプリ部分は別ベンダ委託する構成とした。

定期的に最新技術を取り込んでセキュリティシステムをアップグレードすることを想定し、業界のベストプラクティスを中心にした、データ漏洩防止、継続的な脆弱性の管理、データとシステム構成のバックアップなどの各種セキュリティシステム及び、これらの統合管理システムの設計をaws上で行った。また外部接続先に関しては仕様が公開されておらず、正確な挙動が把握できなかったため、テスト環境で接続してAPIの挙動を調査する工程を組み込んだ計画を策定した。

Solution Architecture

結果

設計、構築、基盤テストの工程を予定通りに完了し、接続先の外部システムの挙動調査を目的とした接続テストも計画通りに完遂しAPIの挙動を確認した。現在、2025年7月のリリースに向けて、総合テストを実施中。